ちょい(笑)ブログ

まさに名前負け。

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短編読み物『赤』



付き合いだしたのは、2ヶ月前。
クチビルは何度も重ねた、、少しはキスが上手になっただろう。
もう一歩を踏み込む勇気が、持てずにいたけれど、今日こそは・・・。




いつもより、ずっと早起きをして、朝からシャワーを浴びる。
念入りに体を洗い、新しい下着を卸す、ボクサータイプの下着だ、ちょっとワイルドだろう?なんてことを考えながら、待ち合わせの時間を気にして時計を見る。時間は、まだ十分にある。早起きしすぎたかな、なんてニヤニヤしながら浮かれ気分で準備をしていると、タンスの角に足の小指をぶつけた。ガツッ!すげー痛くて、思わずうずくまったけど、それでも少し涙目でニヤニヤしている、気持ち悪ぃな、俺。でも仕方ないさ、だって今日こそ、きっと・・・そっと、コンドームも準備したさ、昨夜、つける練習もしたんだぜ。さよなら童貞だ。




正午、10分前。
待ち合わせの場所についた俺は、彼女を待つ。バイト先で出会った彼女、一目惚れだった。必死でアタックして、振り向かせた。今じゃラブラブだぜ☆俺だってやればできるんじゃん、そう思った。後、7分。言葉は古いかも知れないけれど、『健全』な付き合いをしてるつもりだ。手を繋ぐだけで気持ちも繋がっているのを実感する。後、5分。少し、ドキドキしてきた、まだ昼間なのに、夜の事を思うと緊張する。言葉にしたわけじゃないけれど、彼女だって分かっているだろう。今日、『そうなる』事を。後、2分。




「待った?」
彼女の声に振り向く、オーマイエンジェル、今日も麗しの君よ!「いや、今来たところだよ。」お決まりの返し文句。やばい、ドキドキしてきた。告白した時みたいな緊張感だな。デートは何回もしてるのに、今日は言葉が出てこない、何か話さないと。俺が黙ってるから、彼女が不思議そうに顔を覗きこむ、そんな吸い込まれそうな瞳で見つめないでくれ!と、その時、俺の腹が音をたてた。グゥ~・・・




一瞬、黙って目を合わせて、笑った。
「ご、ごめん。」思わず言葉がついてでる。「あはは、お腹空いてるんだね~、ご飯、食べに行こっか。」そう言って、彼女は俺の手を取って歩きだす。手から感じる体温に、ノックアウトされそうだ。
「なぁ、何、食べたい?」今日、デートすることは決まっていたけれど、予定なんてなかったから彼女のリクエストに応えようと思い、聞く。「ん~、なんでもいいよ。」そう言って、彼女は笑顔を見せる。俺も何でもいいんだよ、君と食べるなら、何だって美味しいってばよ!
「じゃあ・・・イタリアンでも食べに行く?」パスタとかなら、ランチにも合うだろう、そう思って提案する。
「ん~、イタリアンは、気分じゃないなぁ。」
なんでもいいって言うたやないか!普段なら、そんなツッコミもできるのに、今日は「ああ、そっか。」としか言えないや、やっぱり俺、緊張してる。結局、前に雑誌で紹介されていた洋食屋に行くことに。




街を歩くと、まだ夏には遠いのに、うだるような暑さだった。
太陽から逃げるように、レストランへ駆け込んで、水を喉に流し込む。「汗、かいてるよ。」そう言って彼女はハンカチを差し出す。君のように可愛らしい、ピンクのハンカチだ。汚したくなかった。君のようにキレイなハンカチを僕の汗で汚すことは躊躇われたけれど、それ以上に君の優しさが、気遣いが嬉しい。だから、余計にドキドキして、食べるもの全てが、同じ味に感じた。これが、愛の味ってやつか。




ゆっくりとした時間と、美味しい(と思われる)料理を楽しむ。君と過ごす全ての時間が、喜びに満ちているぜ。ふいに、彼女が少し首を傾げて、言った。「ねぇ、海、見に行こうか?」その仕草に俺の心臓はマグニチュードが計測不能だよ、海に行かなくても恋の大津波に見舞われてるよ。もう、君と一緒なら何処へでも行っちゃうよ、俺!「いいね、海、見に行こうか。今からだったら、夕焼けが見れるかもな。」そう言って、俺はコップの水を飲み干した。




電車を乗り継いで、海に向かう途中も、彼女は笑顔を絶やさないでいる。俺と居る時間が楽しいと感じてくれるなら、そんなに嬉しい事はない。くだらない話をいっぱいした。友達の話、家族の話、楽しそうに話す君が美しすぎて、真っ直ぐに目を見れないよ。西の空が、少し赤みを帯びている。




「わぁ~、海だ~!」
そういって、嬉しそうに振り向いて俺を見る彼女は本当に楽しそうだから、つい俺も笑顔になっちまうよ、と言っても今日はずっと半笑いなんだろうけど。夕方、太陽、静かな海。まだシーズンには早いから、人も少ない。水面は凪いでいて、僅かな風が心地よい。少しずつ、空が海が燃え出した。今夜、君とあの夕焼けよりも燃え上がるんだぜ。




「キレイね・・・」
ふ、と彼女が呟く。俺に向かって言ったのか、思わず言葉が漏れたのか、分からないけど。今この赤い世界には、きっと俺と彼女しか居ないのだろうから、「うん、キレイだな。」って、呟き返した。急に彼女が振り返って悪戯な笑顔を見せて言う「ねぇ、夕日とアタシ、どっちがキレイ?」
彼女の口から、こんな歯の浮くようなセリフを聞くのは初めてで、少し驚く。その悪戯な顔も、可愛すぎて、平常心を失いそうになる。




「何言ってんだよ(笑)。ほら見て、君がキレイすぎるから、太陽が照れてあんなに赤くなってる。」
そういって、そっと、彼女のクチビルに俺の唇を重ねる。
永遠とも思える、刹那の邂逅。
軽く触れ合うだけの、ありきたりのキスだけど、今までで一番、上手にキスが出来た気がする。




彼女の顔が、赤い。
きっと、夕焼けのせいなんかじゃない。
「どうした?真っ赤だぞ?」なんだか、恥ずかしかったから、こんな言葉しか見つからない。こんな空気は初めてだ。彼女は、何も言わないで俯いてる。夕焼けが、彼女の顔をより赤く見せる。何か、気の利いた事を言わなきゃダメかな、それとも、空気を和らげるだめに、ギャグの一つでも言ったほうがいいのかな・・・・「ほんとに真っ赤だな、シャア専用みたいだ。」
最悪だ、ワケの分からないことを、口走ってしまった。




一瞬、俺を見て、クスッと彼女が笑った。
「アタシは、君専用だよ。また、海、見にこようね。」
そういって、俺の手を取る。空が少しずつ、深く青を増してきた。




帰りの電車は、なぜかお互いにあまり喋らなかった。
分かってる、下手な言葉はいらないんだろう。使い慣れた駅、見慣れたネオン、夜はまだ浅く、街は眠らない。俺の緊張感は、ピークに達している。嗚呼、サヨナラ童貞、お父さんお母さん、俺は今日、男になります。洒落た感じのホテル。通いなれた足取りで入って行く、同年代のカップル。緊張を悟られないように彼女の手をとり、そのホテルへ入る、手が汗ばんでないだろうか。彼女が恥ずかしそうに俯いている。




「シャワー、浴びてくるね。」
そういって、彼女は浴室へと消える。いよいよだ、緊張で頭が真っ白だよ、上手にできるのか不安だ。そんな事をモジモジ考えていると、彼女が声をかけてきた。
「君も、シャワー浴びておいでよ。」




いよいよだ、もう『その瞬間』は、そこまで来ている。
緊張と興奮を隠して、浴室から出る。部屋は薄暗くなっていた。自分の心臓の音が聞こえる。
長いキス、小さな吐息、大きな鼓動。
俺の中の『男』が、彼女を貪るように求めた。彼女の手が、俺自身を包み込む、オーマイエンジェル、ここが天国ってやつなのか。今日見た夕焼けのような赤が、脳裏をかすめた。目の前の天使が、俺に微笑み、言った。




「小っさ。」




恥ずかしくて俺の顔が、夕日のように赤くなるのを感じた。泣いた。

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  1. 2007/05/28(月) 18:54:27|
  2. ちょい読み物(笑)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7
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コメント

「逆におまえのはちょーでかいね!がばがばだね!!」

そう言い返すと、僕は涙の海に飛び込んだ
  1. 2007/05/28(月) 22:14:05 |
  2. URL |
  3. ハラキリ #-
  4. [ 編集]

なかなか言いにくいことをハッキリ言える女だw
  1. 2007/05/28(月) 22:49:18 |
  2. URL |
  3. カバチタレ #n08XGfOg
  4. [ 編集]

まぁでかけりゃいいってもんでもないしなw
  1. 2007/05/28(月) 23:14:20 |
  2. URL |
  3. lon19992000@yahoo.co.jp #-
  4. [ 編集]

もしや…ロッシュの体験談?(笑)
  1. 2007/05/29(火) 00:03:35 |
  2. URL |
  3. 翔 #-
  4. [ 編集]

なんか知らんが涙が出てきた。
  1. 2007/05/29(火) 01:40:02 |
  2. URL |
  3. りんぐ #-
  4. [ 編集]

>その仕草に俺の心臓はマグニチュードが計測不能だよ、海に行かなくても恋の大津波に見舞われてるよ。

これ、好きですwww

愛は大きさじゃないです!
  1. 2007/05/29(火) 21:58:46 |
  2. URL |
  3. 姐 #-
  4. [ 編集]

>ハラキリさん
マジでありがとうっすw
持っていかれた感じw


>カバチさん
これね、UPした後でもっといいオチが思いついたんだ。
これじゃ、笑えないw


>lonさん
ポークビッツと、シャウエッセンだったら、シャウだけどねwww


>翔さん
自慢じゃないっけど、俺のは小さくないぜ!と思う。
大きくもないんだけどねw


>りんぐさん
ピンクのハンカチ、あげようか?w


>姐さん
ガチでそゆ事が言える男になりたいっすw
大きさじゃないのは、愛の?股間の?w
  1. 2007/05/30(水) 21:21:47 |
  2. URL |
  3. ロッシュ #-
  4. [ 編集]

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