ちょい(笑)ブログ

まさに名前負け。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

未来予想図


いつのまにか、親友だったヤツと疎遠になりつつあった。
小学校の頃は、いつも一緒に遊んだ、決まって野球だった。だけど、俺は中学に入り「野球はダサイ。これからはサッカーだ!」と、トレードマークだった坊主頭を卒業し、サッカーの腕前と一緒に髪の毛も伸ばし始めた。クラスが違ったせいもあってか、俺と親友はあまり話さなくなっていった。でも、本当に疎遠になっていった理由は、別のところにあって、俺はそれに気づいている。




同じ女の子を好きになった。
きっと、それが俺達の友情がギクシャクしだした理由だろう。アイツも―親友のヒロシも気づいてるはずだ。ヒロシは野球を続けている。「俺、高校に行ったら甲子園に行くよ!」って豪語していたらしい、野球は俺のほうが上手かったのに。中学に入学したときは、まだ仲が良かった。サッカー部に入るって言った俺に対してヒロシは「一緒に野球をやりたかったよ。でも、頑張れよ。」って声をかけてくれた、少し寂しかったけど、嬉しかった。




中学になると、友達も増える。
自分で言うのもなんだけど、俺はひょうきんなキャラクタで友達もすぐに増えた。必然的にヒロシと遊ぶ機会も減った。それでも俺は、中学2年になった時、まだヒロシの事を親友だと思っていたから、相談した。「なぁ、ヒロシ。俺さ、大空さんの事が好きなんだ。」大空さんてのは、小学校から一緒だった女の子で、俺はずっと片思いをしていた。ヒロシは笑顔で言った「マジで?頑張って告白しろよ!」




その翌週、小学校で同じクラスだった西原が教えてくれた「お前、小学校の頃から、大空さんの事が好きだったよな。ヒロシもずっと大空さんが好きらしいぜ。ライバル登場だな。お前等、仲良かったのにな。」
この時期から、ヒロシとはあまり会話もなくなった。『親友』だなんて言っても、案外脆いもんだ。ヒロシは、俺がヒロシも彼女を好きな事を知っていると気づいてるだろう。お互い、恋愛にも興味がでてくる時期だ、なおさら同じ女子を好きなやつとは話し辛いだろう。そのまま、中学生活は卒業を迎えようとしていた。




今、俺は中学卒業を目の前にして、大空さんに告白する決心をした。ドリカムの『未来予想図』みたいに、ずっと一緒に笑っていられる。そんな恋愛をしたかった。
中学最後のサッカーの試合が終わったその翌日、俺は大空さんを裏門に呼び出した。「ずっと、君が好きだったんだ。俺と、その…付き合って、くれないかな。」彼女は少し驚いた顔をして、そして一つ息を漏らした、「ありがとう、でもごめんなさい。好きな人がいるの…」そういって背を向けて行ってしまった。そこへ友人の堀川が通りかかった。「あれ?どうしたの?今、大空さんが走っていったけど。」「俺さぁ、フラレちゃったよ。」堀川は、「そっか…」とだけ呟いて、裏門から出て行った。




翌日、西原が面白そうな顔をして近づいてきた。「フラレたんだって?」何処から聞いたのか、いや堀川か…よくない友人を持った。こんなとき、ヒロシなら黙っていてくれたんだろうな、と最近は挨拶程度しか交わさない親友(だった男)の事をふと思った。今日から、どんな顔をして大空さんに会えばいいんだろう、それは些細な、しかし重い気がかりだった。




それから一週間が過ぎた。
教室で西原がまた面白そうな顔をして話しかけてきた「おい、しってるか?ヒロシが大空さんを泣かしたらしいぜ。」俺は、無意識に声を出していた「なんだって!?どういうことだよ!」西原は、誰に聞いたのか詳細を教えてくれた。




西原の話によると、俺が大空さんに振られたことを聞きつけたヒロシが、大空さんを呼び出したらしい。そして「アイツの何処がダメなんだよ!すげーいいヤツじゃないか!」と、俺のために言ってくれて、それに対する大空さんの返事は「だって、アタシ…ヒロシ君の事が好きなんだよ?それでヒロシ君もアタシが好きだって噂を聞いて…だから…」と恥ずかしそうに言ったらしい。
ヒロシは、「…僕は大空さんの事が好きだ。でも、親友のアイツの事を考えたら君とは付き合えない。アイツは、俺の大事な友達なんだ、ごめん。」そう告げて振り向きもせず去っていったらしい。




「ヒロシ…」
俺は、馬鹿だ。アイツは俺の事を今でも親友だと言ってくれている。俺は、友情なんて脆いモノと見切りをつけかけていたのに、アイツは、ヒロシは胸を張って俺を親友だと言ってくれている。…ほんと、俺は大馬鹿野郎だ!急に涙が溢れてきた。西原が窓の外を眺めながら「そう言えば、ヒロシはこの時間、川原で素振りしてるんじゃないかな~」と独り言のように、しかし俺にしっかり聞こえるように言った。俺は小さく「サンキュ」とだけ言って教室を飛び出した。ヒロシに、俺の親友に謝りに行こう。




俺は川原を目指して走った。途中で石につまづいたり、サラリーマンにぶつかったり、信号を無視したりしながら走った。
西原の言ったとおり、ヒロシは川原で素振りしていた。「ヒロシ!」と俺が声をかけると、少し驚いた顔をした後、微笑んだ。すぐそこの自販機で買ってきら缶コーヒを俺はヒロシに投げて渡した。「お、さんきゅ~」ヒロシは、そういってコーヒを一口飲むと、川原に腰を下ろした。俺も隣に腰を下ろす。「で、どうしたの?こうやって話すのも久しぶりだな。」ヒロシはそういって懐かしそうな目をした。俺はこんなに最高な親友から目を背けようとしていたのか。「ヒロシ、ごめんな。」その言葉が、最初にでてきた。ヒロシは不思議そうな顔をして「え?なにが?」とだけ言った。




「西原に聞いたんだ。お前が、大空さんと話をしたこと。お前も大空さんが好きだったのに、俺の気持ちまで考えてくれて…なのに俺…」そこで、ヒロシが遮った「何言ってんだよ、俺達、友達だろ?気にすんなよ!」
また、涙が溢れてきた。
「ヒロシ・・・」ありがとう、って言いたかった。でもその言葉は涙に呑まれて出てこない。ヒロシが言った。「なぁ、ヒロシじゃなくて、小学校の頃みたく呼んでくれよ。」そういってアイツは微笑んだ。
俺は赤い目で笑顔を返して、懐かしい親友の名を、小学校の頃のように呼んだ。ヒロシは夕陽に目を細めて、一言、「おい…」と言い、一呼吸置いて言葉を続けた。




「おい、磯野。野球、やろうぜ。」




ヒロシ―いや、中島の投げた、友情の白球は、しっかりと俺のミットに納まった。




~登場人物~
主人公:磯野カツオ
ヒロシ:中島ヒロシ
大空さん:大空カオリ
西原:西原くん
堀川:堀川くん
サラリーマン:穴子さん

スポンサーサイト
  1. 2007/07/09(月) 17:15:54|
  2. ちょい読み物(笑)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<サザエさん検定 | ホーム | 星に願いを>>

コメント

次回!伝説の世渡り上手カツオさんが

中島との関係を維持したまま大空さんを手にするために、ありとあらゆる奇計をはりめぐらす!
次回、私達は本物の世渡り上手を目撃するっ!
  1. 2007/07/09(月) 19:34:35 |
  2. URL |
  3. ハラキリ #-
  4. [ 編集]

最後のオチ噴いたwwwwww

男の友情、良いですな~
そんな友達欲しいわぁ
  1. 2007/07/09(月) 22:42:27 |
  2. URL |
  3. tawai #-
  4. [ 編集]

普通にむっちゃ感動しながら読んだのに……この振り上げたこぶしは穴子さん行きで。ぶるあああ!
  1. 2007/07/09(月) 22:52:20 |
  2. URL |
  3. 姐 #-
  4. [ 編集]

素振りで喉が渇いているのに缶コーヒーを選ぶカツオのチョイスは秀逸!!!ww
  1. 2007/07/10(火) 00:56:02 |
  2. URL |
  3. ナオシー #-
  4. [ 編集]

ロッシュ様ったら、頭良すぎですこと!ほんと天才的。

いつも姉さんに怒られておりますカツオ様を大空さんにお薦め致しますヒロシ様に、驚きを隠せません。
  1. 2007/07/10(火) 15:04:43 |
  2. URL |
  3. anego☆ #-
  4. [ 編集]

>ハラキリさん
ちょっと考えたけど、世渡りが下手な僕にはストーリィが思いつかなかったす・・・。
ごめんちぃ


>tawaiさん
実際にこんな連れが居たら、ちょっとウザイですけどねw


>姐さん
穴子さんについては、ちょっと豆知識があるんでまた疲労します。


>ナオシさん
え?缶コーヒって喉が渇いてる時に飲んだらダメなの?
僕、けっこう飲みます・・・


>あねご☆さん
意外と簡単にこゆ文章は作れるんですね、実は。
何を題材にするか、さえ思いつけば簡単ですよ、どうですか?
  1. 2007/07/11(水) 22:42:11 |
  2. URL |
  3. ロッシュ #-
  4. [ 編集]

水・ミネラルウォーター

水・ミネラルウォーターを探すなら http://www.mnpainctr.com/100316/201351/
  1. 2008/11/12(水) 02:34:39 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集]

住宅

住宅 http://bestead.archiunite.net/
  1. 2008/12/01(月) 14:41:23 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://tyoiwara.blog79.fc2.com/tb.php/178-42375b41
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。